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SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(2)

 前回の記事では、SHOEIの自己株買いにより、財務指標となる株主資本比率、1株当たり純資産が低下していた。
(詳しくは、SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果ご参照)

 既にお気づきであろうが、株主資本比率や1株純資産の低下は、貸借対照表(B/S)上の1株純資産502円を上回る、時価903円で自己株式を買受したために発生しています。

 一般に、1株純資産を上回る価格で自己株式を購入すると、帳簿上、株式の希薄化が発生することになります。増資の場合において、1株純資産を下回る価格で増資を行うと、1株純資産が低下することはよく知られていますが、自己株式の買受は見方を変えると減資と同じですので、両者は双対になるのです。
●帳簿上、株式希薄化の発生条件
1株純資産を下回る増資=1株純資産を上回る自己株式買い

自己株式を資産と見たら、財務指標は悪化しない

但し、財務指標の低下は、帳簿上の出来事ということに留意しなければなりません。実態として、SHOEIは買い受けた自己株式を実際に保有していますので、新たに新株を発行することなく、保有する自己株式を他者に譲渡することもできます。

 その点、会社法施行前まで採用されていた自己株式を資産と見る考え方もあながち間違っている訳ではありません。仮に、自己株式を資産として処理すると、B/Sは以下のようになります。
(3) 自己株式を資産計上した場合(単位:百万円)
流動資産6,040流動負債1,572
 現預金1,765固定負債241
固定資産3,064負債合計1,813
 有形固定資産2,194株主資本7,635
 無形固定資産69
 投資その他の資産125評価・換算差額等-344
自己株式677資本合計7,292
資産合計9,105負債・資本合計9,105
 
 自己株式を資産計上した場合は、前回の記事(1)自己株式取得前のB/Sと総資産、および資本の額が等しいため、流動比率は当然減少するものの、自己資本比率や1株当たり純資産は低下しません。何回も、帳簿上と強調させて頂いていますが、財務分析を行う上で会計データが持つ性質を理解することは大変有用です。
 しかし、現行の会社法は、自己株式取得は株主への資本払戻しという資本取引であるとの立場が採られています。
 そのため、1株純資産を超過する価格で自己株式を取得すると、即時に1株純資産の低下を招くのです。実際には、株式の市場価格は1株純資産のような資産価値のみで決まるものではなく、将来の利益を含んだ収益価値も鑑みた価格形成が行われています(いるようです?)が、自己株式の買受では、一旦、計算上の資産価値しか有しないと見做してリセットされてしまいます。

自己株式の買受は、特定の第三者への優先配当か

 さて、話をSHOEIによる自己株式買受けに戻すことにしますが、今回の自己株式買受により、最も得をしたのは一体誰でしょうか?
 あまはらは、それはもちろん前筆頭株主であった「あすかアセットマネジメント」であったと考えます。彼らは、今回の取引で、SHOEIの有する資産の中で最も価値が高くかつ安定している現預金を最優先で横取り出来たからです。お陰さまで、残った株主の資産の中の現預金は大変少なくなりました。

 まさしく、盗人に追い銭そのものです。

 しかし、何故、SHOEIは自己株式をあすかアセットマネジメントから時価で買い取らざるを得なかったのでしょうか?次回までに考えることにしましょう。

SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(3)
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