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SHOEI サプライズ無しの中間決算

 SHOEI(7839)が4月30日に平成21年9月期中間決算を発表した。期初時点で既に大幅な減収減益の業績予測を公表していた同社ですが、売上の中心である欧州で大幅な景気減退に直面する一方、円安時の為替予約に伴う為替差益(約2億5千万円)が奏功して、経常利益段階では当初の連結業績予想比96%と落ち込みは限定的となったようだ。

SHOEI2009年3月中間期決算概要
項目期初会社予想2009年9月期2Q達成率
売上高(百万円)6,2005,83494%
営業利益(百万円)1,03089586%
経常利益(百万円)1,2301,18196%

 
 上期売上高は60億円に届かなかったため、通期業績予測の売上高127億円達成は困難になったといわざるを得ません。決算短信には、「現時点においては売上高、各利益ともかなり下振れする可能性が高いと思われますが、」と既に今後の下方修正発生を仄めかす文言が記されていることから会社側も十分に認識しているようですが、新製品の前倒し投入による売上動向に大きく期待しているようです。
 
 新製品の動向は現段階ではシークレットであるため、とりあえず既存の計数推移分析からSHOEIの通期業績を予測してみました。ここでは、既に公表されている会社発表の通期業績予測を利用することにします。

【各期毎の売上高推移から今期売上を推定しよう】

 一般に、売上高は季節性を帯びるものです。同じ企業が同じ事業を営んでいる限りは、売上の傾向も類似したものとなるのが通常でしょう。SHOEIの場合も、過去数年で事業構造に目立った変化が見られないため、計上時期に多少のブレが発生する可能性はありますが、売上発生態様も、過去の傾向と類似したものになるでしょう。

 そこで、今期の売上高を過去5年の上期、下期売上比率の平均と上期売上から単純に推算すると、約120億円になります。この時点で、会社業績予測から7億円マイナスとなってしまいました。

SHOEI 売上高上期、下期推移
決算期上期売上高(百万円)下期売上高(百万円)下期/上期(%)
2004年9月期4,6745,051108.1%
2005年9月期5,2815,380101.8%
2006年9月期6,0905,70693.7%
2007年9月期6,2717,315116.6%
2008年9月期7,3697,626103.5%
2009年9月期5,8346,111平均104.7%


【売上原価を固変分解して、売上に対する限界利益率を算定しよう】

 後は、売上高が1単位増加した場合の営業利益の増加割合を示す「限界利益率」(=1-変動費率)が推定できればよいのです。
 一般に公表される財務諸表は全部原価計算で作成されているため、売上原価には変動売上原価と固定売上原価が混在しています。また、販売費および一般管理費にも変動経費と固定経費が含まれています。
 ここでは、販売費および一般管理費は全て固定経費として、売上原価のみに変動費が含まれると仮定します。販売費および一般管理費の中で、変動経費的性格を持つ主要な費目としては、広告宣伝費がありますが、SHOEIの場合はほぼ固定経費とみていいでしょう。
 さて、上記の売上高の推定と同様に売上高と売上原価を用いて最小二乗法から、切片の固定売上原価と傾きの変動費率を求めることにします。ここでは期末数値のみで計算することにします。もちろん、各期毎に計算すると、季節ごとの事業体質をより詳細に分析することができます。

SHOEI 売上高、売上原価推移
A.行B.決算期C.売上原価(百万円)D.売上高(百万円)
22004年9月5,9559,725
32005年9月6,39210,661
42006年9月6,77711,796
52007年9月7,48913,586
62008年9月8,21414,995
7C.変動費率、D.固定売上原価

 上記実績から計算すると、変動費率0.417、固定売上原価18億9千万円となります。手計算でもいいですが、EXCELのLINEST関数を使えば、最小二乗法は簡単に計算できます。上表をEXCELシートにコピーして、(1)セルC7に「=LINEST(C2:C6,D2:D6,,FALSE)」と入力、(2)セルC7、セルD7を選択し、ファンクションキーF2押下、(3)SHIFT+CTRL+ENTER押下、で計算できますので、ご参考まで。

 従って、限界利益率は0.583(=1-変動費率(0.419))と計算されました。すなわち、売上高が1億円減少すると営業利益は5千8300万円減少することになります。売上高7億円減少すると、会社発表営業利益からいくら減少するかは計算できますね。
 SHOEIの場合、営業外損益以降は会社予想通りと仮定すると、通期の1株利益86円(1株配当43円)と推算できました。

 後は、マクロ事業環境、会社の新製品の前倒し投入等の施策や、為替変動(既に今期は為替予約済とのこと)をどう判断するかにかかっています。

 現段階で、確実に申し上げられるのは、通期売上高87億円(損益分岐点売上高)を下回ることはなさそうですので、赤字に陥る可能性は限りなく少ないことでしょう。ともかく、現下の状況で安定した黒字体質を確立していることはSHOEIへの投資の大きな魅力の一つでしょう。
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