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保険代理店の収益構造と財務諸表

 アドバンスクリエイト(8798)は、インターネット媒体「保険市場」、および繁華街・ショッピングセンターなどの実店舗、および通信販売などを媒体として、生命保険・損害保険の保険代理店業務を営んでいる。

 アドバンスクリエイト社は、予てより公表する財務会計ルールに基づいて算出した会計利益が、当社の企業価値ならびに事業成果を適正に表現できていないとして、法定基準とは異なる基準による計数を業績説明資料等で発表している。
 さらに近年は公表するプレゼントバリュー(PV)に外部機関による客観性を付与する努力を行うなど、当社が認識する企業価値と、財務会計上の会計計数の乖離を埋めるのに懸命に取り組んでいるようだ。

プレゼントバリュー(PV)とは、「当該期末に有効に存続する契約より期末以降将来に発生する保険手数料の収入見込額の未実現分の現在価値を表します。」とのことですが、少々わかりにくいですね。

この会計的な難しい表現をもう少し簡単にしてみました・・
若干、語弊はありますが、

「今後食べることができるタダ飯の量」

と、言えるのではないでしょうか?

【保険代理店業の収支構造】

保険代理店業は、顧客と保険契約を保険会社に代理して締結した時(新契約時)に、顧客が支払う保険料の一定割合で計算される代理店手数料を主たる収入源とする事業です。

 一般に、保険契約が満期を迎えた時には同じ保険会社で再び契約更改を行う顧客は多いようですが、保険更改時にも代理店は代理店手数料を受取ることができるのがミソです。従って、1回の新規契約で5年~10年に渡り、継続して手数料収入を得ることも有り得ます。

 一見、契約獲得という営業主体のフロー型ビジネスに見えますが、収益が継続発生するストック型ビジネスの要素を持ち合わせているのが、保険代理店業務なのです。
 さらに、新契約時と比べると契約更改にかかるコストは段違いに少ないことが、アドバンスクリエイト社にプレゼントバリューの発表を誘引させていると見ています。

【会計上の収益と対応する費用の認識時期に期ズレ】

 保険募集に因る成果が、新規契約時の収入のみならず、契約更改以降の将来の収入に波及するならば、営業募集にかけたコストは、今期のみならず、将来に渡る収益に期間配分するために費用の繰延計上するのが合理的です。

 しかし、現行の会計基準では保険募集コストは発生期の費用として計上する一方、代理店手数料収入は受領時に計上するため、期ズレが生じます。

アドバンスクリエイト社は収益の見込計上により、収益費用の期間対応を試みているようです。
 一点、プレゼントバリュー(PV)の算定は、一部の保険会社等から提供された死亡率、保険解約失効率、更改率などの実績値に基づく推計であるが故に、数値の信頼性に相応の不安が残ります。
 しかし、保険業はそもそも大数の法則が成り立つことを前提とした事業であることからも、あまはらもプレゼントバリュー(PV)として計上された未実現利益が、長期的に実現収益に転換する確実性は相当程度に高いと推定しています。

 しかも、アドバンスクリエイト社はWEBサイト「保険市場」で一括見積対応など、複数保険会社の保険を取り扱っており、更改に至らず他社に乗換えとなった場合でも同様に代理店手数料収入が入る可能性もあるでしょう。

【プレゼントバリューをどう見るか?】

 さて、アドバンスクリエイト社が発表するプレゼントバリューの、過去3年の残高推移を見てみます。
アドバンスクリエイト社のプレゼントバリュー推移
会計年度プレゼントバリュー(PV)(百万円)
1Q2Q3Q4Q
2006年6,5677,2858,2318,857
2007年9,2198,3607,8396,528
2008年6,3964,5734,7695,151
2009年5,398---
※アドバンスクリエイト(8798)の決算月は9月

 アドバンスクリエイト社はこの2年程、2007年から2008年にかけてのプレゼントバリュー減少は営業拠点の整理を行った要素も大きいでしょうが、いずれにせよ数十億円規模となっています。企業会計上の貸借対照表の総資産が65億円台の同社では、資産計上するか否かで、財務諸表の姿は大きく変わるでしょう。

 アドバンスクリエイト社は直近の2009年第1四半期でも、PV獲得額等を反映させた実質貸借対照表、実質損益計算書を開示しており、実質売上高、実質営業利益ともに1.98億円増加、実質営業利益率は8.5%→18.9%と開示しています。

 PV反映の是非は、未実現利益であり反映不可と捉える会計基準と、客観性、確実性を備えた実現収益であり、反映すべきと捉える会社側の主張が真向からぶつかり合っているといえます。
 個人的には、PV発生額を反映させる際の更改契約の代理店手数料収入の取扱について、疑問もありますが、ここでは深くは触れないことにします。

 投資家としては、ただ闇雲に会計利益の数値自体を妄信せずに、数値が作成された背景や、業務実態を積極的に調査・理解して、判断することが重要なのです。
 財務諸表の数値は、定められた手順で調理されていますが、多分に経営者の好みで味付けされた料理なのです。もはや、味付けではどうにも変わらないので、構造自体の変革への試みがアドバンスクリエイト社が行っている独自基準の開示なのです。

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はじめまして
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2011/09/03(土) 15:39 | URL | 保険営業マン #Cv2s2L.A[ 編集]
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