株式を主要投資対象とするファンドは、この半年で基準価格が軒並み大幅下落を記録し、中には1日で10%以上も下落する日もありました。
長期投資家が増加する上で最も障害となっているのは、
金融商品の価格変動幅が大きすぎることではないかと考えています。
すなわち、消費者が日常生活感覚で触れている食品、日用品などに対して設定されている小売価格と、金融商品などの市場価格と同列に比べてしまっているのです。
当然ながら、小売価格は販売業者によって、市場価格変動リスクが織り込み済で値段設定されているから安定しているのですが、逆説的に考えると小売価格は価格変動リスク保険料が常に上乗せされているから安定しているといえます。
さて、直販投信会社による長期投資ファンドについては一般の株式ファンド等に比べて、どの程度価格変動が異なるのか、過去6ヶ月間の価格変動率を調べてみました。

※ひふみ投信、ユニオン投信等のファンドは設定後間もないため、除外しています
価格変動率と現金保有比率は密接に関連
その結果、直販投信ファンドの価格変動率分布は、ほぼフルインベストメント状態のさわかみファンド、ありがとうファンドがプラスマイナス両側にロングテール状態となっています。言い換えると、リスクが高いファンドといえます。逆に、最も価格変動率が中央に分布しているのは、最も現金保有比率を高めているかいたくファンドとなりました。かいたくファンドに関しては、100年に1度とも云われる荒れ相場の中でも1日の最大下落率は−4.48%に留まっています。(ちなみに最大下落率はさわかみファンドの−12.18%(10月14日))
現金保有比率と騰落率は高い相関がありますが、もしさわかみファンドが現金保有比率50%を保っていたら、価格変動率はどのように変わるのでしょうか?

ご覧の通り、「かいたくファンド」と「さわかみ:現金=50:50ファンド」の価格変動率分布は似通ったものとなり、現金保有比率の大きさが価格変動幅に多大な影響を与えていることがわかります。
けれども、投資家としては、必ずしもファンド内で現金を保有する必要はありません。予定投資額の半数をさわかみファンドに投資し、半分を現金運用した場合と、かいたくファンドにフル投資した場合において、得られる全体の価格変動幅はほぼ類似した結果となります。
運用ポートフォリオのパッケージ商品(長期投資ファンド、バランスファンド)は余分なコストが掛かるという批判もありますが、特定ファンドの価格変動の大きさのみを極端に注視するという行為を回避することもできる利点を見直さなければなりません。
全てを自分で合理的に決断できる自立した投資家にとっては無駄なコストそのものですが、日常生活で価格変動から隔離された過保護状態に慣れた普通の人へ投資を普及させるために、パッケージ商品は今後増えると予想しています。



