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金融商品の時価評価を一時凍結の方向へ

 日本の会計基準を策定する企業会計基準委員会が金融商品の評価方法について、時価評価を緩和する方針を打ち出しているようだ。
 具体的な手法として、金融商品の保有目的を「売買目的」(時価評価)から「満期保有目的」(取得価額、もしくは償却原価法による評価)への振替を認める等により実現することが検討されている。

市場価格の功罪

 このような時価評価の凍結は、株式市場等における大幅な価格暴落により急遽浮上した緊急措置のようですが、そもそも、金融商品に対して市場での付けられた価格と金融商品の価値が一致することはほとんどないといっていいでしょう。時価とは、誰もが把握できる客観的な数値(市場における直近の取引価格)として採用されているに過ぎず、市場価格が絶対的なものでありません。

 市場での集中取引は金融商品の流動性向上に著しく寄与しているのは確かですが、反作用として短期需給のみで決定される市場価格が極めて不安定になっています。昨今のように、需給に大幅な乖離が生じると、株式市場で1日の価格変動が10%近くを記録することも珍しくありません。しかし、企業価値の変動はヒトによる日常業務の積重ねの結果ですので、1日で10%も変動することは絶対にありません。
 財務諸表の利用者はブレの大きな時価という概念で企業の財務諸表が作成されていることを認識しなければなりません。

時価評価の凍結を金融機関救済に読み替える

しかし、今回の時価評価の凍結対応には、疑問に感ずるところもあります。まず、現行の会計処理において、金融商品を時価評価しなければならないのは「売買目的で保有する有価証券」に限られます(減損処理を除く)。
 その他、金融商品の保有目的として「満期保有目的」や「支配目的」などの分類では、現行の会計基準でも時価評価する必要はありません。
 つまり、主に有価証券を支配目的で所有する一般の事業会社(持株会社を含む)は、時価評価の凍結はあまり影響を受けないはずです。(一部の財テク企業や不振子会社を抱える企業を除く)
 一方、売買目的で有価証券を保有する企業といえば、金融業(証券会社、銀行など)が真っ先に挙げられます。つまるところ、時価評価の凍結=金融機関の救済と読み替えることができるのです。

市場安定化策としては一定の効果が期待される

 市場に暴力的な価格形成により、金融機関が計算上の資本不足に陥ることは避けなければならないため、緊急避難措置として時価評価を凍結することは止むを得ないでしょう。
 しかし、価格評価にどのような評価基準を採用するのかという問題に立ち返ってしまいます。取得価額では財務諸表にあらわれない含み損益が生じて、企業の実態を適正に表さないからという理由で時価評価が導入されてきた経緯を忘れてはなりません。
 丁度、企業会計基準委員会でも、Q&A形式の実務対応報告公開草案第28号「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い(案)」が公開されています。
 企業の価値を客観的な数値で評価することがいかに深い課題であるかを窺い知ることが出来ます。わずか3ページの草案ですので一読してみてはいかがでしょうか?


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