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さわかみファンドの3月末決算配当落ち日の基準価額を考える

 現時点のさわかみファンドは実質的に日本株式を投資対象とするファンドであり、日本を代表する製造業等の大企業を組入れていることから、しばしば東証株価指数(TOPIX)の騰落率と比較されています。さわかみファンド自身はベンチマークを設けないとしていますが、長期的にはTOPIXを上回ることは意識されているようです。
 ちなみに直近1年間のさわかみファンド(71311998)TOPIX(998405)の価格変動は以下の通り、さわかみファンドが+2.3%TOPIXを上回っていました。(但し、直近3ヶ月、直近6ヶ月は逆にTOPIXより下回っています)
さわかみTOPIX(20080328)1年

 但し、TOPIXには配当が含まれていないことに留意しなければなりません。日本の上場企業の株価配当率は1%から2%程度と想定されることから、さわかみファンドが特別に良好な成績を残していることを意味していません。
 今回のエントリーは、配当金がファンドの基準価額にどのように影響するかを題材にします。

配当金は配当落ち日に未収配当金として投資信託資産に計上

 さて、日本企業の多くが決算日としている3月末について、配当落ち日におけるさわかみファンドとTOPIXの価格変動は以下のようになっています。
さわかみファンド、TOPIX3月末決算配当落ち日騰落率の推移
3月期決算企業配当落ち日さわかみファンド
騰落率
TOPIX騰落率騰落率差異
(さわかみ-TOPIX)
2000年3月28日0.68%1.62%-0.94%
2001年3月27日-0.65%-0.59%-0.06%
2002年3月26日-0.06%-0.84%+0.78%
2003年3月26日1.49%1.12%+0.37%
2004年3月26日1.65%1.40%+0.25%
2005年3月28日0.41%0.02%+0.39%
2006年3月28日0.61%-0.06%+0.67%
2007年3月27日-0.18%-1.00%+0.82%
2008年3月26日0.51%-0.43%+0.94%
(さわかみファンド設定1999年8月以降を対象)
 ご覧の通り、配当落ち日にはさわかみファンドには未収配当金が計上されることにより、騰落率はTOPIXを上回ることが多くなっています。特に近年の日本の企業の配当性向が向上していることにより、配当落ち日におけるTOPIXと日本株式ファンドの騰落率差は今後も拡大を続けそうですね。
 配当落ち日の騰落率差が大きくなることは株主への利益配分比率の拡大を象徴する好ましい事象の一つとして見ることにしています。
 さて、投資信託における配当落ち日の未収配当金の計上に関しては、去年7月から会計方針が変更になったことをご存知でしょうか?

以前は配当落ち日に未収配当金の90%のみ計上

 ファンドの資産として認識するタイミングは会計処理における収益認識基準の問題となります。どのタイミングというのを会計用語で「認識」とよびます。また、計上する金額を決定することを「測定」といいます。
 日本の会計における収益認識の基本原則は実現主義であり、収益に客観性と確実性が担保された段階ではじめて収益として計上するというものです。
 実は昨年2007年6月30日まで投資信託では配当落ち日に予想配当金の90%を、残額は入金時に計上する会計方針を採用していました。これは会社が発表している予想配当金に100%の客観性、確実性が認められないとする前提での会計処理なのです。
 当然ながら予想配当金は会社が単に発表した数値であるため、全額計上することに対するリスクを考慮して、10%を配当落ち日段階で認識、および計上しないことには一定の根拠もあるのです。

以前はファンド売買に伴い強制的な財産移転が発生

 このような状況の中、投資対象株式の配当落ち日から配当入金日までに投資信託を売却した投資家については、当該配当金の10%を実質的に受け取れていませんでした。
 換言すると、以前は入金日においてファンド売却した投資家からファンドを保有する投資家への財産移転が発生していたのです。これは、投資信託売却時に一部の投資信託で必要な信託財産留保額と財産移転構造は同じです。ファンドを売却した投資家、特に多数を占める3月配当落ち日から6月の配当入金日までに日本株式ファンドを売却した投資家は、明示されているコスト以外に追加の見えないコストを負担し続けていたのです。
 見えないコストとは、ファンド投資家が不確実な状態から逃げ出すために必要なコストといえるのです。その規模は、上記さわかみファンドとTOPIXの騰落率差からは純資産残高の0.1%程度と見積もることができます。

現在は、予想配当金額を配当落ち日に全額計上

 2007年7月1日以降、配当落ち日に予想配当金額を全額計上する基準に変更され、配当金に関する見えないコストはなくなりました。さわかみファンドとTOPIXの配当落ち日における騰落率差が2008年3月に拡大したのも90%計上から全額計上に変更になったことも一因に含まれています。
 配当金に関する見えないコストがなくなったために、配当落ち日以後に配当金の増減を伴う状況が発生した場合、既に収益として計上した金額が変更されることになります。
 最近では、一定のルールに従った業績連動型の配当を実施する企業も多くなり、予想配当金と確定配当金に差異が発生することも増えていますので、差異が発生する事象により結果が調整されるのは投資として、より望ましい状態といえるでしょう。
 企業の配当金支払が増加する中で、「貯蓄から投資」への大合唱を支援するための取組みの一つを見たといえますね。

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コメント
この記事へのコメント
全く知りませんでした。
こんばんは。
いつも楽しく読ませて頂いてます。
さて、鋭い視点からの内容ですね。
全く知りませんでした。
2008/03/29(土) 20:27 | URL | 愛犬クロリス #vXeIqmFk[ 編集]
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