J−REITは会社型の不動産投資信託として不動産賃貸収入を利益の源泉とする商品であり、2001年の日本ビルファンド投資法人(8951)を始めとして現在、証券取引所には42銘柄が上場しています。
大半のJ−REIT銘柄は運用開始後一貫して価格上昇を続け、特に2006年度以降は特に価格が急騰し、2007年前半には全銘柄の平均利回りが2%台となった時期もありましたが、2007年5月に相場が天井を打ち、サブプライム問題が長引く中で一転して価格下落が続いています。
J−REITは各々の投資信託が投資対象とする不動産の種類毎に大きく、
オフィス系REIT、
商業系REIT、
住宅系REIT、
その他施設(ホテル、物流施設)系REIT、および複数の種類に投資する
総合型REITに分けられますが、いまは住宅系REITに着目しています。
住宅系REIT最大の特徴は、オフィス系、商業系REITに比べて、住むというヒトの生活に欠くことができない要素を本源とするため、需要、賃料ともに安定していることが挙げられます。
REITは不動産賃貸収入が主な収益となりますが、もともと賃貸収入は継続的なストック収入の性質を有しています。
中でも住居系REITは買い手(賃借人)が小口、分散化しているため、買い手事情による需要変動は、頻度は高いですが小口であり、ポートフォリオの収益に与える影響は価格分散、期間分散する特徴があり、計画した賃貸収入の実現性は他のREITに比べて高いと考えられます。
銘柄 コード | 銘柄名 | 価格(3月19日) | 直近分配金 | 年利回り |
|---|
| 8962 | 日本レジデンシャル投資法人 | 347,000円 | 12,748円 | 7.35% |
| 8965 | ニューシティレジデンス投資法人 | 316,000円 | 13,393円 | 8.48% |
| 8969 | プロスペクトレジデンシャル投資法人 | 300,000円 | 9,039円 | 6.03% |
| 8978 | アドバンスレジデンス投資法人 | 332,000円 | 13,523円 | 8.15% |
| 8979 | スターツプロシード投資法人 | 124,000円 | 5,437円 | 8.77% |
| 8986 | リプラスレジデンシャル投資法人 | 292,000円 | 14,994円 | 10.27% |
| 3226 | 日本アコモデーションファンド投資法人 | 416,000円 | 12,750円 | 6.13% |
| 3240 | 野村不動産レジデンシャル投資法人 | 408,000円 | 14,005円 | 6.87% |
住宅特化型REIT銘柄の利回り
住居系REIT第一の特徴は、
投資利回りが高いことです。オフィス系、商業系に比べると保有物件の質的魅力にかけることが、市場利回りの高さに現れているともいえます。
住宅のみを投資対象とする住居特化型REIT8銘柄の直近配当金による投資利回りは、1銘柄で10%を超過する状況も発生していますが、銘柄ごとに投資利回りは6%台から10%台まで広範囲に分散しています。この広範囲の分散は上記配当金にフロー収益と言える当該期間の物件売却益が混入しているためです。
REITは安定した賃貸収入のみで保守的に判断すべき
REITの配当の原資は物件賃貸料と物件売却益です。多くの住居系REITでは、毎期保有物件を売却することにより、分配金の嵩上げを行なっています。しばしば、外部成長(新規物件の組入れによるポートフォリオの量的拡大)時に同時売却することで、ポートフォリオ改善と投資利回りの確保(ひいては増資資金の円滑な確保)を同時に図っているのです。
銘柄 コード | 銘柄名 | 価格 (3月19日) | 売却益 控除後 分配金 | 売却益 控除後 年利回り |
|---|
| 8962 | 日本レジデンシャル投資法人 | 347,000円 | 11,086円 | 6.39% |
| 8965 | ニューシティレジデンス投資法人 | 316,000円 | 10.946円 | 6.93% |
| 8969 | プロスペクトレジデンシャル投資法人 | 300,000円 | 7,696円 | 5.13% |
| 8978 | アドバンスレジデンス投資法人 | 332,000円 | 11,815円 | 7.12% |
| 8979 | スターツプロシード投資法人 | 124,000円 | 3,195円 | 5,15% |
| 8986 | リプラスレジデンシャル投資法人 | 292,000円 | 9,017円 | 6.18% |
| 3226 | 日本アコモデーションファンド投資法人 | 416,000円 | 12,742円 | 6.13% |
| 3240 | 野村不動産レジデンシャル投資法人 | 408,000円 | 12,349円 | 6.05% |
住宅特化型REIT銘柄の売却益控除後利回り
上記、直近配当金から物件売却益の影響を除くと、以下の通り銘柄間の格差はかなり減少し5.1%〜7.1%の間に収まっています。この辺りの年利回りが住宅特化型REITに対する市場の標準評価利回りといえます。全てのREIT銘柄は投資利回りを向上させるために借入金、投資法人債によるレバレッジを利かせているため、不動産価格値下がりリスクを憂慮していることも考えられますが、長期固定のノンリコースローン調達が大半であり、財務面に関するリスクは純資産残高が大きい銘柄は特に少ないと見ています。
REIT銘柄の選択の基準としては短期的な分配金の多寡でなく、運用会社による内部成長(物件稼働率の上昇、業務委託コストの削減、規模の利益の享受)が期待できる銘柄、すなわち株式投資同様、REIT運営会社の努力による利益向上に焦点を当てるべきでしょう。やはり、鍵となるのは運営者のたゆまぬ業務改善プロセスなのです。
価格は1投資口当りの純資産残高を大きく割り込む水準
もう一つの特徴は住居系REITの市場価格は純資産残高を大きく割り込む水準に落ち込んでいることです。PBR(価格純資産倍率)で評価すると、概ね0.6倍程度と妥当価格である1倍を大きく割り込んでいます。
REITが保有する資産は「現預金」、「建物」、「信託受益権」などいずれも換金性が高い資産で大多数を占めています。
どのREITも各期に物件売却益を計上できることから、物件、信託受益権評価額として貸借対照表に記載される価格の妥当性は相当程度高いといえるでしょう。
とするならば、換金性の乏しく評価が困難な棚卸資産などを保有する企業投資とは異なり、PBRによる割安感は投資判断として積極的に利用するべきと考えられます。
銘柄 コード | 銘柄名 | 価格 (3月19日) | 1投資口当り 純資産 | 純資産倍率 |
|---|
| 8962 | 日本レジデンシャル投資法人 | 347,000円 | 613,045円 | 0.57 |
| 8965 | ニューシティレジデンス投資法人 | 316,000円 | 536,400円 | 0.59 |
| 8969 | プロスペクトレジデンシャル投資法人 | 300,000円 | 468,748円 | 0.64 |
| 8978 | アドバンスレジデンス投資法人 | 332,000円 | 490,658円 | 0.68 |
| 8979 | スターツプロシード投資法人 | 124,000円 | 187,458円 | 0.66 |
| 8986 | リプラスレジデンシャル投資法人 | 292,000円 | 500,138円 | 0.58 |
| 3226 | 日本アコモデーションファンド投資法人 | 416,000円 | 550,097円 | 0.76 |
| 3240 | 野村不動産レジデンシャル投資法人 | 408,000円 | 619,956円 | 0.66 |
住宅特化型REIT銘柄のPBR
後は短期的な価格変動の大きさに目をつぶれるか?
直近では、需給の緩みを反映して価格は大きく下落していますが、短期的な価格変動の大きさに目をつぶることが出来る投資家なら、現在のREITの価格水準は非常に割安に見えます。日本の不動産に対する投資ですので、地震リスクは頑然と存在しますが、物件を所有する感覚で長期投資するには購入に適した時期と言えるでしょう。
住居系REITは、今後も外部成長のための増資が必要であり、大幅なキャピタルゲインは見込めないかも知れませんが、継続的なコスト率の低下が徐々にインカムゲインとして寄与すると考えております。
まだら模様の投資生活サイト管理人は住居特化型REITの中で純資産残高が大きく、今までのREITにない大型物件に投資しているニューシティレジデンス投資法人(8965)を2008年3月17日に、日本レジデンシャル投資法人(8962)を2008年3月19日に購入しました。徐々に購入しようとしましたが物件売却益控除後配当率が7%台から6%台に急騰してしまいましたので、あまり買えていません・・・・
まだら模様ポートフォリオ的には日本債券クラス(個人向けマネックス債か個人向け国債)から徐々に資金を移すつもりです。

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