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損益計算書に見る企業の利害関係者の力関係

 企業は、企業活動に関連して直接あるいは間接的に利害関係を有するステークホルダー(利害関係者)に囲まれており、いずれの利害関係者との関係を適切に保つことが企業の事業活動の永続するために不可欠となる。

 一般に、企業の利害関係者といえば、主に以下が挙げられるだろう。
  1. 顧客(消費者)
  2. 取引先
  3. 従業員・役員
  4. 債権者(金融機関)
  5. 地域社会(地球環境)
  6. 国家・政府
  7. 株主
 これらの利害関係者全てが企業に対して同等の立場でない。すなわち、企業の収益である「売上高」に対する分け前の優先順位が付けられているのだ。そして、その優先順位は損益計算書の項目に見ることができる。

損益計算書(株主資本等変動計算書)の項目と利害関係者の対応
項目金額利害関係者
売上高1001.顧客(消費者)
 売上原価65
  原料仕入高352.取引先
  製品製造原価303.従業員
売上総利益35
 販売費および一般管理費202.取引先、3.従業員・役員
営業利益15
 営業外費用7
  支払利息54.金融機関
  CSR費用25.地域社会
経常利益8
当期純利益8
 法人税等36.国家・政府
当期純利益5
 配当金37.株主
繰越利益剰余金5

 企業の事業活動にとって、最も重要な利害関係者は売上の源泉となる顧客(消費者)である。多くの企業が「顧客第一主義」を掲げているが、至極尤もといえる。
 この「売上獲得」から関連性の順番に損益計算書の項目は順序づけれられている。商品を生み出すための原材料仕入、製造直接経費、間接経費、金融費用、その他営業外費用、税金、、、の順だ。
 
 こうして見ると、株主は収益分配上の立場は最も弱いものであり、上流域での無駄使いが利益減少となり自らの懐具合に直接響くことになる。そうであるからこそ、株主に経営全般のの適切な執行管理を司る「取締役」の選任権が与えられているのもうなずける。
 さらに、株主は最終的に残った「当期純利益」さえも全額分配されることは少なく、上場企業で概ね10%~50%程度が通常である。
 残りの「当期純利益」は「繰越利益剰余金」に名前を転じ、企業の今後の事業資金として社内留保され、今後の事業投資による追加的な成果獲得待ち、言い換えると「後払い」状態を要請されている。
 
 以上のような企業を取り巻く利害関係者の立場の強弱を鑑みると、株主として投資に適した企業とは、配当性向の大小に関わらず、まず「株主」の存在価値を認めて、株主利益の保護に理解を示す経営者の元に、かつ留保利益から追加的な利益を生み出す魅力的な事業投資が実践されていることで、将来的に株主へ明るい展望が提供されていることが必須であろう。

余談とはなるが、国家・政府も企業の利益に税収が左右される不安定な立場に置かれていますね。最も、彼らが企業に及ぼす影響力は、株主と違って国家権力ですので、いざとなればという最終手段を持ち合せている強みはあります。

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まだら模様の投資生活ポートフォリオ(2009年10月)

 ただいま、第2四半期決算発表の最盛期を迎えていますが、業績予想の上方修正、下方修正発表の多いこと、多いこと・・・

 振り返るに、修正前の業績予想は今年の4~5月頃の先行き不透明な状況下で策定されているため、特に需要が景気循環に依存度が高い企業にとっては、精緻な見積りは例年以上に困難であったことでしょう。

 従って、業績予想修正の発表自体に大きな意味合いがありませんので、発表内容に過敏に反応するのではなく、むしろ需要水準(売上高)や、業務コスト改善(運営コスト低減)の絶対値に着目した方が中長期的には報われるのではないでしょうか?

 特に、各種業界が発表する統計資料は、前年同月比プラスかマイナスかが強調されることが通例ですが、昨年2008年10月以降はサブプライムショックにて、需要が激減しています。

 従って、2009年10月実績以降は、激減した前年実績が比較対象となりますので

プラスで当たり前

との感覚を持っておくことが重要でしょう。むしろ、前々年同月比でプラスになっている成長企業、成長産業に着目するべきはないでしょうか?

 さて、まだら模様の投資生活サイトの運用は、今月も至って安定運行させて頂きましたので、ポートフォリオ投資割合の変動はあまりありません。
まだら模様の投資生活ポートフォリオ200910
 ただ、一点その他株式比率に、「信用取引売却現金」が紛れ込んでいます。
[まだら模様の投資生活ポートフォリオ(2009年10月)]の続きを読む

SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(3)

 本来、会社は株式保有者からの株式買取要求があった場合でも、普通は聞く必要はありません。株式会社制度の根幹を成しており、一旦会社に出資された資金の返還を自由に認めると、会社の資金安定度を阻害し、会社運営に支障をきたすなどが理由に挙げられます。
 従って、株式保有者が資金回収を意図する場合、他人への譲渡により実現するのが通常の手段であり、株式の高度な流通性を確保するために、売買市場(東証、大証などの株式市場)が整備されています。
 
 しかしながら、今回、SHOEIがあすかアセットマネジメントリミテッド社が保有するSHOEI株式の実質的買取に応じざるを得ない結論に至った理由を邪推してみます。以下は、筆者あまはらによる推論を多分に含んでいますので、その前提でお読みください。

 それでは、このような見方もあるとのことで、どうぞ・・
[SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(3)]の続きを読む

SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(2)

 前回の記事では、SHOEIの自己株買いにより、財務指標となる株主資本比率、1株当たり純資産が低下していた。
(詳しくは、SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果ご参照)

 既にお気づきであろうが、株主資本比率や1株純資産の低下は、貸借対照表(B/S)上の1株純資産502円を上回る、時価903円で自己株式を買受したために発生しています。

 一般に、1株純資産を上回る価格で自己株式を購入すると、帳簿上、株式の希薄化が発生することになります。増資の場合において、1株純資産を下回る価格で増資を行うと、1株純資産が低下することはよく知られていますが、自己株式の買受は見方を変えると減資と同じですので、両者は双対になるのです。
●帳簿上、株式希薄化の発生条件
1株純資産を下回る増資=1株純資産を上回る自己株式買い

[SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果(2)]の続きを読む

SHOEIの自社株買いに見る、自社株買いの効果

 高級バイクヘルメット製造業のSHOEI(7839)は、兼ねてから公表していた業績下方修正を去る2009年7月28日に事前発表した上で、7月30日に2009年9月第3四半期決算数値を公表した。

 事前公表と合わせて、既に欧州地域を中心として売上げ不振となっている状況が事前に充分に浸透していたためか、業績下方修正は市場の株価形成には、ほとんど影響を与えなかったようだ。

 むしろ、決算発表に隠された形となっているが、決算発表同日にもう1本、筆頭株主であったあすかアセットマネジメントリミテッドの売却意向を起因とする自己株式買受けが発表され、翌31日午前8:45に東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得完了に注目したい。
(東証のToSTNeT市場とは?)

 株式市場では、一般に企業の自社株買いは株価には良い材料と受け止められることが多いが、果たして本当にそうであろうか? 自己株式買いにより財務計数がどのように変化するか、今回のSHOEIの自己株式買付け事例を踏まえて検討してみることにする。
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